女性特有の健康課題をテクノロジーを用いて解決する「フェムテック」の市場が広がっている。専門店が郊外にオープンしたり、多様な悩みに寄り添う商品を集めたイベントが開かれたり。フェムテック製品を法律や規制のなかでどう位置づけるかを巡る議論も官民で進んでいる。今後は薬局など生活に身近な場所でも、フェムテックの品を求めやすくなりそうだ。
郊外の商業施設に
埼玉県越谷市にある大型商業施設「イオンレイクタウン」。生活雑貨店などが並ぶフロアに今年3月、フェムテック専門店「byeASU(バイアス)」がオープンした。
近年、生理や妊娠・出産、更年期症状など女性特有の不調を緩和する商品が開発される一方、販路がインターネット通販や都心の専門店に限られている課題があった。
「フェムテックを広げるには、多くの人が商品を手に取り、接客を通じてよさを知ってもらうことが大切だと考えた。幅広い年齢層が訪れる郊外のショッピングモールだからこそ、店を構える意義があると感じている」と運営するイオンモールの担当者は話す。
開設から約3カ月。「お客さんは予想以上に悩みをオープンに打ち明けてくれる」と販売スタッフはいう。店は8月31日までの実証実験だが、担当者は「結果を分析して各地のイオンモールにも広げていけたら」と語る。
高齢女性向けも
女性の健康課題は世代ごとに悩みも異なり、個人差も大きい。多様なニーズに応えようと、大丸梅田店(大阪市)は25~31日の日程で、「ミチカケ・ウェルネスアクション! vol.1 フェムテック展」を開催する。女性ヘルスケア領域を専門にイベントを手掛ける「ウーマンズ」が企画した。
同店のフェムテック常設ゾーン「ミチカケ」を拡充し、60社が参加。高齢者の身体機能をサポートするつえや歩行器、排泄(はいせつ)ケアに役立つ品なども含まれる。
「『フェムテックは若者向け』といった固定観念を持っている人も少なくない。あらゆる世代の女性の健康を支える選択肢となることを知ってほしい」とミチカケ担当者は語る。
ルール整い薬局でも
政府が昨年6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」には「フェムテックの推進」が明記された。医学的に消費者が安心して使えるように、薬事規制上の位置づけなどについての議論が官民ワーキンググループで進んでいる。
例えば「吸水ショーツ」は現在、医薬品医療機器法(薬機法)上の観点から、経血を吸水することを明示できず「雑品」として扱われているが、昨年10月、生理用ナプキンと同様の「医薬部外品」として承認を受けるための品質評価の観点と広告表現の考え方がまとまった。
議論に参加している一般社団法人「メディカル・フェムテック・コンソーシアム」担当者は「今後、承認を受けた吸水ショーツが世に出てくれば、薬局などの生理用品売り場で手に取ることも可能になるのでは」としている。
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メトロポリターナが「フェムテック展」公式パンフレット作成
女性のココロとカラダのケアを考え、よりよい未来につなげる「フェムケアプロジェクト」に取り組んでいる産経新聞社は、大丸梅田店で開催される「フェムテック展」に協賛。首都圏で無料配布している雑誌「メトロポリターナ」が公式パンフレットを作成した。同店や大阪市中央区の商業施設、心斎橋パルコなどで配布する。































