はじめに
企業が人事評価や採用活動、社員の教育面の問題に直面した時、その問題解決をサポートする仕事があるのをご存知ですか?「人事コンサルタント」という仕事は、このような問題を抱えた企業を助け、解決へ導くために尽力します。今回は、この人事コンサルタントについて、仕事内容や必要な資格、やりがいについて解説します。
人事コンサルタントの仕事内容とは
人事コンサルタントの仕事内容は、主に顧客である企業の「採用や人事戦略の立案」のサポートや、人材育成プランの提案や再構築、組織や人事評価制度の改革です。これらの活動を通して、企業の抱える「組織や人事面」の課題を解消するのが、人事コンサルタントの役割です。
この仕事は、企業にとって最も重要である「人材」の分野に深く関わるものです。そのため専門的な知識や技能、顧客に寄り添いサポートする姿勢はもちろん、守秘義務を遵守するという意識が不可欠です。
またこの仕事は、年収が比較的高い傾向にあるのも特徴と言えます。一般的な大手コンサルティング会社に勤務している場合、入社3年前後までは500万円から700万円代、5年を超えると1,000万円を超えることも少なくありません。仕事のやりがいの大きさに加え、この高い収入面を魅力に感じる人も多いはずです。
人事コンサルタントの種類について
「人事コンサルタント」と一言に言っても、その仕事内容はいくつかの分野に分かれているのはご存知でしょうか。ここでは、人事コンサルタントに分類される様々な仕事について紹介します。
人事組織コンサルティング
まず紹介するのは、「人事組織コンサルティング」です。この仕事の特徴は、人事の中でも特に「人事組織」に特化した改善の提案や、組織の再構成を行います。
例えば、人事制度や組織に不満を持ち社員の離職が増えるような事態は、企業にとって打撃であり早急に解決すべき問題です。人事組織コンサルティングでは、評価基準の見直しや評価に伴う報酬制度の見直しを行うことで、このような問題の解決や予防を図ります。また、解決にとどまらず専門知識や企業の経営状況、人材の活用度を見極めながらより良い人事組織を編成するのも、この仕事において大切な業務です。
採用コンサルティング
採用コンサルティングは、その名の通り「採用」の分野に特化し、企業の人材採用の支援を行う業務です。企業によって、専任の採用担当者がいないケースや、採用を積極的に行っても目標人数に届かない、雇ってもすぐに退職してしまう人材が多いなど、採用に関する問題はさまざまです。
そのような企業に対して、採用プランや戦略の立案や提案といったサポートから、実際の募集や選考といった採用活動の代行などで採用状況の改善、活発化を促すのです。
人材育成・研修コンサルティング
新卒入社や中途採用、いずれにおいても、社員が活躍するためには適切な人材育成プログラムや研修は欠かせません。「人材育成・研修コンサルティング」の仕事は、このプログラムや研修プランの立案と実行を担うものです。
新入社員に限らず、管理職や入社年数に合わせたものや、経営層を対象にしたものなど、あらゆる従業員をカバーできる研修の導入を支援します。また、マネジメントや営業、技能など、特定のスキル向上を目的とした教育プログラムの実施の支援を行う場合もあります。
「教育による従業員の能力やパフォーマンスの向上」を通して、企業全体の組織力の強化を推進するのが、この仕事の特徴と言えるでしょう。
グローバル人事コンサルティング
昨今、企業の中では社会経済のグローバル化を見据え、ビジネスの海外展開を検討するケースも少なくありません。グローバル人事コンサルティングは、企業の海外向けのビジネスに必要な人材の育成や人事評価システムの提案・導入などを行います。
海外に向けたビジネスでは、文化や言語の違いから相手国の知識が無ければ人事組織の編成や育成プログラムの設定は難しいものです。そのような課題を持つ企業に対して、国際化に対応可能な人材の条件整理や採用活動の促進、教育研修の導入を通してサポートを行います。