牛丼チェーン「すき家」で今年1月、名古屋市内の店舗に勤務する女性パート従業員(58)が「ワンオペ」と呼ばれる1人勤務中に倒れ、その後死亡していたことが2日までに分かった。すき家は再発防止に向け、1人勤務体制が残っている早朝時間帯(午前5時~9時)についても6月末までに複数勤務体制とする方針を明らかにした。
すき家によると、女性従業員は1月17日午前5時半ごろに店舗の厨房(ちゅうぼう)内で倒れた。午前9時前に出勤してきた別の従業員が倒れている女性従業員を発見し、女性従業員は病院に搬送されたが、死亡が確認された。死因は心筋梗塞という。
当時、女性従業員は1月16日午後10時から17日午前9時までの勤務で、このうち17日午前5時以降が1人勤務だった。すき家は不測の事態に備え、本部への緊急連絡用として常時身につける「ワイヤレス非常ボタン」を従業員に支給しているが、女性従業員は装着していなかったという。
すき家では、深夜時間帯(午前0時~5時)については平成26年以降、ワンオペによる従業員への過重負担の軽減や強盗などの犯罪抑止のため、複数勤務体制を徹底。複数勤務ができない場合は営業しないなどの措置をとってきた。だがその後も、早朝時間帯については1人勤務で営業する店舗が一部で残っていた。
女性従業員の死亡を受けて、すき家は6月30日までに早朝時間帯についても全国約1900の全店舗で複数勤務体制にすることを5月28日に決定したという。
すき家は「お亡くなりになられた従業員のご冥福をお祈りするとともに、より一層従業員の職場環境改善に努める」としている。