ウクライナ情勢で日本の価格上昇幅低め 過度な再エネ依存のリスク指摘 エネルギー白書

    政府は7日、令和3年度版のエネルギー白書を閣議決定した。白書ではロシアのウクライナ侵攻などに伴うエネルギー価格高騰の影響を分析。足元では液化天然ガス(LNG)が大きく変動しているが、日本は大半のLNGを原油に準じた価格で長期契約を結んで購入しており、影響が小幅にとどまったと指摘。欧州のように過度に再生可能エネルギーに依存し、短期のスポット契約が増えることへのリスクを指摘した。

    LNGタンカー
    LNGタンカー

    白書によると、新型コロナウイルス禍からの急激な需要増やウクライナ侵攻に伴い、エネルギー価格は世界的に高騰。2019年1月と今年3月を比べると、欧米では電気やガス代が約3割、ガソリン価格は約7割上昇した。しかし、日本は電気とガスが約1割、ガソリンが約3割の上昇にとどまったという。

    背景として白書では、価格変動が大きく出やすいLNGの日欧の調達手法の違いに着目。再エネへのシフトが進む欧州では、エネルギー不足を補う形で、LNGをその都度スポット契約で購入しており、価格変動が国民の暮らしを直撃した。一方でエネルギー資源の乏しい日本は、LNGを購入する際、石油価格に連動する長期契約を結んでいたことが奏功し、輸入価格が抑制されたという。

    燃油価格の高騰抑制のため政府が導入した石油元売り会社への補助金制度なども、エネルギー価格の抑制には寄与したという。

    一方、ロシア極東サハリンでの石油・天然ガス開発事業「サハリン1、2」については、市場よりも安価に調達できることから「エネルギー安全保障上、極めて重要」と指摘。撤退することで逆に権益をロシアや第三国が取得し「有効な制裁とならない可能性がある」と、慎重な姿勢を改めて強調した。


    Recommend

    Biz Plus