山形大の大学院生3人が、特定の栄養成分を豊富に含んだ機能性野菜を低コストで育成できる「q.(キュードット)フィルム」を開発した。これまでは、発光ダイオード(LED)を使った大規模施設での栽培が主流だったが、フィルムは紫外線を機能性野菜の栽培に有効な光に変換するため、ビニールハウスで太陽光を利用しての栽培が可能になる。
太陽電池などに使用される素材「ペロブスカイト」を微小化し、特殊な樹脂と混合させフィルムで挟んだ。紫外線を変換し、特定の波長の光を増幅することができる。ディスプレーなどの次世代材料として期待されている技術を農業用に転用した形だ。
必要な光は植物により異なり、トマトに青紫色の光を当てれば、リコピン含有量が約3倍に増加。コマツナは、紫色の光でカルシウムの含有量が増える。要望に合わせ色をオーダーメードする。