金を売る人が増えている背景には価格上昇がある。田中貴金属の小売価格でみると、今月22日は1グラム5000円。直近の高値は今月7日の5325円で、昨年11月の月間平均から約18%急騰、1980年3月以来の高値となった。東京商品取引所の金先物価格も今月上旬、6営業日連続で上場来最高値を更新した。
金価格は足元ではやや落ち着いているが、主要先進国の経済や金融に対する懸念が依然続いていることもあって、今後も堅調に推移するとみられている。
国際的指標となるロンドン市場での価格は、2008年9月のリーマン・ショック後に1トロイオンス(貴金属の重量単位、約31グラム)=1000ドルを突破。ギリシャの財政問題を機に欧州経済危機が広がるなか、ドルやユーロなどの基軸通貨や株式などのペーパー資産への懸念が高まり、現物に裏打ちされた金が買われ、11年には1800ドル台の高値水準をつけた。