企業年金も一部で、株や債券の値動きとの相関性が低くリスク分散につながるとして金投資へ動く。三菱UFJ信託銀行が昨年3月から企業の年金運用向け商品に提案している金ETFは現在2社が採用。みずほ信託銀行が11年3月に提供を始めた金ETFを約3%組み込んだパッケージ型商品は約200社が導入している。
「史上最高値も」 アベノミクスが動向左右
米国では、年初に懸念された大型減税の失効と巨額の歳出削減が重なる「財政の崖」がひとまず回避された。欧州でもユーロ圏の景気は底を打ったとの見方も出てきたが、金価格は今後どうなるのか。
貴金属市場の調査を手がけるトムソン・ロイター・GFMSは1月のリポートで、13年の平均価格は1トロイオンス=1847ドルと12年平均の1669ドルを上回る見通しを示した。「主要国で金融緩和が続いており、経済成長は依然弱い」ため安全資産とされる金投資を押し上げるとみる。