ミドリ安全【拡大】
中国はすでに人件費が上昇し始めており、安全靴のような軽工業には向かない。そこで検討したのが、ミャンマーやカンボジアなど東南アジア諸国だ。
なかでも、ミャンマーは、大手商社の工業団地があり、進出日系企業も多く、当初最有力だった。しかし、何回も訪問するうちに、現地の日系企業の関係者が不安を漏らす。当時は今よりも政情不安で、経済政策がコロコロ変わることが問題だった。特に為替の不安定さは企業経営に大打撃となる恐れがあった。このため、最後のフロンティア(新天地)と呼ばれるミャンマーをあきらめた。
もう1つのフロンティア、カンボジアは内戦の後遺症が色濃く残っていた。「当時は、場所によっては夜散歩することもできないほど荒廃していて、身の危険を感じることが一度や二度ではなかった」(先崎氏)。
豊富な水力発電
カンボジアの隣国、ラオスが最終的に候補地として残ったのは、豊富な水力発電を持つという好条件があったからだ。