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リーダー育成、ものづくりの基礎伝達
「家業が農業で、親は『嫌なことがあったら、農業を手伝えばいい』と甘やかす。従業員教育は、厳しく叱るだけではダメだ、と気付いた」。初代ラオス工場長で、生産部購買グループの原宏昭次長はこう振り返る。
雇っては辞めるの繰り返しで離職率は高止まりした。人材育成という課題を目の前にし、原工場長はリーダーを育てることの重要性に気づいた。しかし、頑張った人は認められるという資本主義では当然の論理も、ラオスの若者には抵抗感が強かった。中には「なぜ、同じ時間働いているのに、給与が違うのか」と食ってかかる者もいた。
それでも、男女2人ずつの4人を優秀者として選出し、日本で1年間の研修を受ける特典を与えた。「リーダーを育て、リーダーを通して生産性や品質の向上など、ものづくりの基礎を伝えていった」。リーダー格の従業員には色の違うユニホームを与え、競争心を育てた。