韓国乗用車市場は、地元の現代自動車と傘下の起亜自動車が全体の7割と圧倒的なシェアを誇る。一方、12年に世界販売首位を奪還した「世界のトヨタ」も、市場規模が150万台程度の韓国では、12年の販売実績は1万6000台と全体の1%強にとどまり、独BMWやメルセデス・ベンツなどドイツ勢の後塵(こうじん)を拝している。
トヨタ車の韓国での販売は09年に始まった。韓国トヨタの中林尚夫社長は「進出当時はリコールでブランドイメージが傷ついており、『トヨタってまだいたの』といわれた時期もあった」と明かす。
信頼回復とブランドイメージの再構築を最重要課題に据え、宣伝広告や販促イベントを地道に重ねた結果が、販売拡大だけでなく、韓国COTYの獲得にもつながった。
米韓FTAによる輸出促進効果も期待できる。現在、日本からの乗用車輸出関税は8%のままだが、米国からの輸入関税は8%から4%程度に引き下げられ、5年目にはゼロになる。