中国での日系自動車メーカーの販売が伸び悩んでいる。尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化をめぐる反日感情の高まりだけが要因ではない。
欧州勢の低価格攻勢に加え、100万円以下の自動車を扱う現地メーカーに顧客を奪われ、日本車離れが進んでいるからだ。
このままでは日本勢の存在感は下がり続ける恐れがあり、まさに真価を問われる局面を迎えている。
上海市の中心街から約40キロ離れた郊外の販売店「広汽本田松江店」。クロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)「クロスツアー」の前で、熱心に担当者と話し込む来店客は少なくない。
だが、同店の柳叶飛・総経理は「一度購入したユーザーが再びホンダの車を買う比率は8%」と打ち明ける。国情の違いはあるが、日本では6~7割がリピーターとなるだけに、中国における顧客サービス満足度が2年連続トップのホンダですら苦戦しているのは明白だ。