損保大手 値上げも支払金高止まり
大手損害保険各社が、高齢者による事故増加などで収支が悪化している自動車保険の立て直しに苦慮している。2013年3月期は各社とも赤字幅を縮めたものの、赤字脱却には至らなかった。黒字化を図るため、東京海上日動火災保険など大手5社は年内の自動車保険料の値上げで足並みをそろえる。契約者に支払う保険金の額が高止まりしている中、各社の収支改善の取り組みは正念場を迎えている。
車離れで収入頭打ち
「改善努力が着実に数値に表れてきている。ただ、安定的な収益基盤には至っていない」
今月4日、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に持つMS&ADインシュアランスグループホールディングスが東京駅近くの会議場で開いた説明会。江頭敏明社長は約100人の証券アナリストらを前に、傘下2社の自動車保険の状況をこう述べたが、自動車保険の悩ましい現状は大手損保各社に共通している。