自動車保険の「コンバインド・レシオ」の推移【拡大】
損保会社の収益性を示す指標の一つに「コンバインド・レシオ」がある。収入保険料に対する支払い保険金と経費の割合で、100%を超えると利益が出ていないことを意味する。
13年3月期決算では、大手5社の多くで100%を上回るなどして赤字が続いた。98.5%と唯一100%を下回った東京海上日動も「今後見込まれる保険金の支払いを加味すると(実質的に)赤字」(藤田裕一常務)。全社が苦戦を強いられている。
自動車保険の収支悪化は2000年代半ばから顕著になった。最大の要因は保険料の安い高齢者の事故が増加し、保険金の支払いが膨らんでいることだ。これに加え、少子高齢化や若者が車に関心を持たない「車離れ」により、収入保険料が頭打ち傾向にあること、さらに「自動車の電子化が進んだこともあり、修理費用が高止まりしている」(損害保険ジャパンと日本興亜損害保険を傘下に持つNKSJホールディングスの辻伸治専務)ことが痛手になっている。