自動車保険の「コンバインド・レシオ」の推移【拡大】
経費削減に血道
黒字を定着させ、コンバインド・レシオが継続して100%を切るには、(1)収入保険料を増やす(2)支払う保険金の額を抑える(3)経費を減らす-の3つを徹底するしかない。
収入保険料の拡大策では、各社とも自動車保険料の値上げで対応。10月には、三井住友海上が保険料を平均1.7%、あいおいニッセイ同和が同1%強、東京海上日動は同1.9%、それぞれ引き上げる。一足先に4月には損保ジャパンと日本興亜がともに同2%の値上げを実施済みで、大手5社すべてが年内に保険料値上げに踏み切る。
これとは別に昨年10月には、事故を起こしたドライバーの保険料を次回の契約更新時に大幅に引き上げる等級制度の改定が行われており、中期的に収支面への貢献が期待されている。ただ、各社とも、保険料値上げだけで自動車保険の収支を改善しようとしているわけではない。
支払う保険金の額を抑えるため、事故後の修理では自社が指定する優良な整備工場を契約者に紹介したり、中古部品を活用して修理費用を引き下げるといった対策を徹底。車を日常的に使う運輸業などを対象に、事故を防ぐための地道な講習活動やコンサルティングもしている。