それを発射台に、新潟県燕市にある開発部門とマレーシア工場の技術チームが薄さと軽さを極限まで追い求めた。
最新モデルでは、下敷きのように薄い0.08ミリの板を実現し、重量は容量350ミリリットルタイプの場合で170グラム。第1世代から約50%軽くなった。
「いつか見返してやろう」
「他社に軽量化の先手をとられたあの日から『いつか見返してやろう』と誓った」
ステンレス製ボトルの超軽量化に挑んだ当時のマレーシア工場の技術部長だった古和康弘氏はこう振り返る。
もともと世界で最初のステンレス製の魔法瓶は、サーモスの前身の日本酸素が1978年に開発した「高真空ステンレス製魔法びん」だ。それまでのガラス製と比べ、軽くて割れない。だが、その後、ステンレス製が急速に普及。マイボトルの分野も競合他社が追随し、差別化が難しくなった。