サーモス独自の製法にも秘密がある。ステンレス板を加工して外瓶と内瓶を重ね、1000万分の1気圧以下という高真空状態の「真空チャンバー」という特殊な装置の中に入れ、溶接し取り出すと真空層のあるボトルができる。この技術は「他社のベンチマークとなってきた」(同)。
デザイン性や質感高める
ケータイマグで「一家にボトル1本」から「一人に1本」へ市場を広げたサーモス。激しい販売競争に打ち勝つために、軽量化とともに目指すのが、「ボトルを使うシーンを広げることだ」と山本マネジャーは語る。同社の調べによると、マイボトル利用者の7割超が週1回以上使っているという。それを8割以上に高めたい考えだ。
そのために「デザイン」「ボトルを切り口とした新しい生活スタイルの提案力」を重視する。真空断熱ケータイマグの新モデルでは、飲み口を外して洗えるシンプル構造とすることで手入れをしやすくしたほか、デザイン性や質感を高めた。スポーツ向けのボトルでは、生地を何層にも重ねて立体的にみせるポーチの開発にもこだわる。
「魔法瓶のパイオニア」として常に市場を牽引してきたサーモスが、次にどのような一手を繰り出すか。現在、年間2000万本という魔法瓶市場をさらに広げる努力は今後も続く。(臼井慎太郎)