一般競争入札で設置された自動販売機が思わぬ歳入をもたらした=中野区役所2階【拡大】
調査会社の富士経済によると、24年の国内販売額は前年比2・2倍の267億円で、今年は1・5倍の392億円を見込む。「オロナミンC」(大塚製薬)などの「栄養ドリンク」は、購買客の年齢が比較的高めなのに対し、エナジードリンクは若年層にも人気で、自販機の新規需要開拓が見込める。
さらに、他の清涼飲料より50円以上高い価格も、隠れたメリットを生み出す。定価販売が一般的な自販機は粗利率が高い反面、商品価格がほぼ横並びのため、値上げをすると目立ちやすいのが泣き所だった。だが、エナジードリンクという高単価商品を品ぞろえに加えれば、自販機内の価格がばらつき、柔軟な価格設定がしやすいという。
消費増税の苦い体験
一方、飲料業界には消費税増税をめぐる苦い体験がある。3%の消費税が導入された元年には缶飲料価格を100円から110円に、9年の税率5%への引き上げ時には120円にそれぞれ転嫁したが、安売りに踏み切ったスーパーに消費者を奪われた。自販機の売上高は11年の2兆4357億円をピークに減少傾向が続く。