CVT7は部品から新たに設計するとともに、専用の生産ラインを設置する開発・生産体制が取られた。これに対し、CVT8の開発にはコスト競争力の大幅な向上を実現するため、できる限り従来ある設備で生産するという制約が課された。燃費性能を従来比10%改善する目標とともに、開発陣にとっては高いハードルだった。
コスト削減のため、既存のCVTに使用されていた一部部品を“温存”した。製造拠点である八木工場(京都府南丹市)とメキシコ工場の「ジヤトコメキシコ」(アグアスカリエンテス州)、中国の生産拠点であるジヤトコ広州への設備投資を抑えるには、それが最も効果的との判断だった。
CVTは約500点の部品で構成されている。CVT8は、このうちベアリング(軸受け)やボルトなど全体の4割に相当する約200点を既存品から引き継いだ。