【開発物語】藤田観光「ゲストハウス桜苑」 (2/6ページ)

2013.11.4 05:00

 この階段の設置をめぐっては、当初、予算や建物のデザイン上の理由などから断念せざるを得ない状況だった。内海さんは「貸し切り感の演出、そのための動線の確保を考えると絶対に外せない」と、設計事務所や会社の上層部と何度も掛け合った。

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 太閤園は、関西財界の雄と言われた藤田伝三郎氏の大阪の東邸を、1959年に藤田観光が譲り受けて和風の婚礼会場としてオープン。多くの茶室を備え、結納の場としての利用も多い。邸宅内には茶室や能舞台もあり、「関西の迎賓館」として、各種レセプションの会場としても親しまれている。もちろん、桜苑の敷地内にも、19世紀初頭に建てられたとされる茶室と広大な庭園がある。

 2つのバンケットルームはこの景色をうまく取り入れ、「洋」のイメージが強いゲストハウスに「和」の雰囲気を醸し出している。

 例えばチャペル「木堂(こどう)」には「新郎新婦のこれからの人生がしっかり根付くよう」にとの願いを込め、ナラやスギといった天然木を取り入れ、明るくかつ温かみのある空間を作り上げた。高さ8メートルの天井から床に降り注ぐやわらかな光がバージンロードの存在を引き立たせている。

 1階のバンケットルーム「庵」は天井の色をグレーなど少し暗めの色にすることで、青空に映える庭園の緑が強調され、厳かな空間を演出した。2階の「楼」は天井を高めに取り、デザートビュッフェなどの演出も可能なルーフバルコニーなども設け、華やいだ雰囲気を醸し出す。それぞれのバンケットルームには専用のクロークと待合場所を用意し、参列者が開宴までの時間をゆったり過ごせるようにした。

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