自由化≠値下げならず?!
だが、自由化がさらなる新電力のシェア拡大や値下げに結びつくかについては、有識者からは疑問の声も上がっている。
海外事例も含め電力自由化を約20年研究する電力中央研究所社会経済研究所(東京)の丸山真弘・上席研究員はずばり、「自由化すれば必ず電気料金が下がるわけではない」と指摘する。
日本国内の電力供給体制の現状は、原子力発電所が止まった状態だ。丸山氏は「節電をお願いするほどのガリガリの体。電力を値下げするには、太った体(発電所などの電源)をシェイプアップ(効率化)して発電コストを削るのが基本だ」と表現する。供給体制に余裕がなければ、値下げには結びつかないというのだ。
さらに、火力発電の燃料費や再生可能エネルギーの導入コストなどを考えれば、「現状では自由化されても電力料金が下がる要素が見当たりにくい。逆に、電力料金に反映される可能性もある」とすら予測する。実際、電力自由化したドイツでは、「市場原理の導入による自然な帰結」として、2000年から2010年の間に家庭用電気料金はキロワット時当たり11・01セント上昇。そして、発電会社の利益は増えているというのだ。