電力会社いらない家庭も?
では、電力自由化の時代が到来したとき、どうすることで一番「お得」なサービスを受けられるのだろうか。
政府が描く電力自由化による電力料金値下げのシナリオでは、「新電力」の参入促進が不可欠だ。経済産業省によると、新規参入した特定規模電気事業者(新電力)は114社あるが、今年9月までに実際に電力を販売した実績があるのはわずか39社。多くの新電力がまだ電力事業の準備段階であり、各地域で市場競争によって促される電気料金の値下げにつながるかどうかは、まだ未知数だ。
一方、住宅販売では太陽光発電や蓄電池を備えた「スマートハウス」の普及が進む。こうした家庭では自家発電した電力で生活でき、電力会社からの購入が不要という家庭や、余剰分を売電する家庭も出てくることになる。自由化でこうした選択肢は増えることになるが、その展開や見通しは見えていない。
少子高齢化が進み、世帯数は減る一方となるこれからの日本社会。今後、電力各社が生き残りをかけた熾烈(しれつ)な顧客争奪戦が進むのは間違いなさそうだ。(西川博明)