【九州の礎を築いた群像 西鉄編(4)】西鉄誕生 松永安左ヱ門と小林一三「臭い飯」が結んだ友情/都市間高速電車に心血注ぐが… (7/7ページ)

2013.11.5 20:10

 太田は博多の油商「太田屋」の4代目当主だが、明治29年、油のライバルである電気の将来性に目をつけ、県内初の電気供給事業「博多電灯」を設立した。また、経営危機にあった第一徴兵保険(後の東邦生命保険)を引き受け、再建にも力を入れていた。

 合併協議の焦点は「東邦電力解散により九州鉄道と福博電車の株はどこに渡るのか」だった。

 多くの関係者は太田が有力とみていたが、松永が選んだのは太田ではなく、九州電気軌道第4代社長、村上巧児への譲渡だった。

 松永の真意はわからない。おそらく自らの「私鉄統合によるネットワーク拡大を進めるべき」という考え方に、村上がもっとも近いと考えたのではないか。太田も電鉄統合を提唱していたが、過去に会社設立をめぐって松永と衝突したこともあり、その辺りの人間関係も影響したのかもしれない。

 いずれにせよ、松永の決断により、村上が5社中3社の社長に就任する結果となり、九州電気軌道が他の4社を吸収する方向での合併が一気に進んだ。昭和17年9月22日、九州電気軌道は「西日本鉄道」に社名を変更、事実上の初代社長となる村上は第4代社長を名乗った。   (敬称略)

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