相反する動力性能と環境性能を、持ち前の先進技術によって両立した好例といえるが、最近のRSシリーズの魅力を、さらに高めているのがサスペンションだ。標準で装備されている「DRS(ダイナミックライドコントロール)付きRSスポーツサスペンション プラス」によって、乗り味を巧みにアレンジするシステムが見事なドライブフィールを提供してくれるのである。ユニット自体はスチール製のスプリングと、減衰力が調整可能な油圧式ダンパーという構成で、前後対角線上にオイルパイプと中央のバルブで連結して、走行シーンにあわせて四輪の動きを常にベストな状態に制御。もちろんスポーツ走行時にもっとも有効なのだが、室内のセンターコンソール部分に設けられているドライブセレクトを「コンフォート(3モードあり、コンフォート/オート/ダイナミック)」に設定すれば、上質なライドフィールへと変化し、まさしくコンフォートな乗り味を堪能することができる。またモードごとに、ステアリングフィールもアレンジされ、「ダイレクト」ならばオンザレール感覚のシュアなハンドリング、「コンフォート」ならば長距離移動でも疲れないほど良い操作感となる。最新RSモデルは洗練度が増し、実に懐が深い。
ほぼ同時に発表されたRS 7 Sportbackは、エンジンなどのコンポーネンツや仕様など、RS 6 Avantとほぼ変わらないが、クーペのような4ドアスタイルとして人気を博しており、日本では14年にデリバリーが開始される予定だ。他にも官能的なオープンエアのRS 5 Cabriolet、さらにヨーロッパでは初のSUVとなるRS Q3が加わったRSシリーズ。これまでのようにふさわしい究極的な性能だけでなく、環境性能や快適性をひと際高め、その選択肢さえも広げ、アウディのフラッグシップモデルとして新境地を切り開いた。