2013年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の一つ、「お・も・て・な・し」。これを地で行く金融機関がある。東京都と埼玉・千葉両県の一部を営業地区とする巣鴨信用金庫(東京都豊島区)だ。お楽しみ演芸会、外国人デザイナーによる洗練された店舗、そして5分前の開店…。規制業種の代表格ともされる金融業界だが、巣鴨信金は「ホスピタリティ(おもてなし)」を前面に存在感を示す。
茶菓でふるまい
巣鴨信金本店3階ホールの壇上に設けられた高座に若手落語家が登場、演目が進むにつれ、集まった約200人は笑いに包まれた。月1回の「お楽しみ演芸会」は真打ち昇進前の新進気鋭の若手落語家の舞台が無料で鑑賞でき、愛好家の間で人気だ。毎回来るという板橋区の一人暮らしの女性(75)は「ここに来ると、いろんな人に会えるので楽しい」と笑顔を見せる。
巣鴨信金近くのとげぬき地蔵尊(高岩寺)は毎月4、14、24日が縁日。10万人を超える参拝者が訪れるが、地蔵尊周辺にはトイレが少ない。そこで「平日限定だが、本店の施設の一部を提供できたら」(伊藤芳之創合企画部長)と考え、1991年、縁日にあわせてトイレを開放した。