新日鉄住金が、進藤孝生副社長(64)を4月1日付で社長に昇格させる人事を固めたことが16日、分かった。宗岡正二会長(67)は留任、友野宏社長(68)は代表権を持つ副会長に就任する見通し。
新日本製鉄と住友金属工業の大型合併から1年を経て、新たな体制を築き、成長が見込める海外市場を攻略し、“総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカー”をめざす。
進藤氏は新日鉄出身。総務や経営企画部門を長く務め、住金との合併以降、旧2社の製鉄所間の組織統合などを担当した。今年4月に予定されている小倉製鉄所と八幡製鉄所(いずれも北九州市)、堺製鉄所と和歌山製鉄所などの組織統合・再編にも手腕を振るった。
新日鉄住金の今3月期の連結経常利益は、3400億円と大幅に改善する見込み。円高是正による需要家の業績回復や復興需要などで国内は好調だが、世界的には中国の供給過剰態勢などで需給は緩んでおり、新社長のかじ取りに注目が集まる。
進藤 孝生氏(しんどう・こうせい) 一橋大経卒、昭和48年新日本製鉄(現新日鉄住金)。新日鉄副社長などを経て24年10月から現職。秋田県出身。