鉄鋼生産の回復基調が鮮明になった=千葉県君津市の新日鉄住金君津製鉄所【拡大】
鉄連の友野宏会長(新日鉄住金社長)は「鋼材価格は昨年上がったが、まだ昔のレベルには戻っていない」と指摘。業界各社は円安による原燃料価格などのコストアップ分を含め、最適な価格を模索している。
セメントも、復興需要や首都圏再開発向けが貢献している。セメント協会が同日発表した13年のセメント生産量は前年比4.1%増の6169万4000トンで、08年以来の6000万トン超となった。国内販売量は6.2%増の4617万7000トン。業界各社はこれまでの需要の落ち込みに対応して、生産や物流をスリム化させたため、「(国内需要の)一部で新規案件を断る状況も出ている」(気仙伊作流通委員長)。需給は逼迫(ひっぱく)し、東北向けなどの国内分を優先させており、円安で好環境にある輸出に回せないジレンマも抱える。
ただ、引き続き交渉を続けている価格については、各社とも一部で値上げが浸透してきた。他業界に比べて値上げが遅れている面もあったが、販売価格の行方には明るさが見えてきた。