経団連の榊原定征次期会長は会見で、最も重要なのは「成長の実現」と述べ、イノベーション(革新)の重要性を説いた。だが賃上げに、法人減税、エネルギー政策、中国・韓国との関係改善に向けた民間外交、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの経済連携推進と待ち受ける課題は少なくない。
課題の一つは、政治との関係修復だ。経団連会長は政府の政策決定会議の一員に加わっていたが、安倍晋三内閣で米倉弘昌現会長は民間議員に入っていない。榊原氏は昨年1月に発足した産業競争力会議の民間議員を務めており、1月中旬の内定後、甘利明経済再生担当相、茂木敏充経済産業相ら閣僚に電話で報告、官邸にもあいさつを済ませた。成長戦略の実現には官民の連携が不可欠で、政権中枢と電話1本でやりとりできる榊原氏に期待がかかる。
企業での働き方の問題も課題だ。本格スタートした2014年春闘では賃上げの中身が争点になるとともに、通常国会では解雇規制の見直しが俎上(そじょう)に上っている。就職活動の解禁時期など多様化する一方の企業活動を経団連がどこまで縛れるのか。