W杯イヤーは、「次のサッカーの4年間のトレンドを占う」重要な時期。しかも、スパイクは開発に数年間かかるため、ターゲットは未来の消費者だ。すると、数年後にトップで活躍する選手のパフォーマンスを、それに憧れる一般人も「まねが可能になる」ような機能を開発する…と、目指す理想はかなり高い。
06年、開発コンセプトを「無回転」に決めたミズノは、本田選手が無回転を蹴るに至った経緯や、今どのように蹴っているのか、スパイクにどういう機能が求められるか-を徹底して分析。08年秋には担当者がオランダへ飛び、本田の足にセンサーを付けて100本のシュートを打ってもらった。
本田から何度も「ダメ出し」され、わずか30分の打ち合わせのためにモスクワ出張を重ね、発売にこぎつけたのは09年12月。夢のシュートを蹴りたいサッカー少年やファンの心をつかみ、イグニタスは順調に売り上げを伸ばした。