ミズノやアシックスなど、日本企業の売上規模はこれらグローバルブランドの約10分1に過ぎず、W杯市場では完全に蚊帳の外だ。
スポーツビジネスには、巨額の契約金でスター選手を抱え込む独特の商習慣がある。サッカーでは英のデイビッド・ベッカムが04年からアディダスと約190億円で「一生涯契約」を結んでいるほか、日本の中村俊輔も00年から年間総額5千万円で同様の契約を結んでいる。
だが、これはグローバル企業にしかできないビジネスだ。ミズノはこうした手法ではなく、「将来スターになる可能性のある選手」による、ファンや子供たちが「やってみたい」と憧れるパフォーマンスをサポートする、という手法をとった。それが06年からの本田とのスパイク共同開発につながったわけだが、当時の本田はまだ、A代表には飛び級で初召集されたJリーガー。ミズノにとってはこの“先物買い”が「想定以上」に大化けした格好だ。
CM出演料も今や1億円クラス、露出度はあのイチローを超える日も近いともささやかれる本田。それでも、活躍の度に注目されるその「足」に勝るPR効果はない。巨額を投じた「大物買い」とは違う共同開発スパイクの宣伝効果は、今後さらにその真価を発揮しそうだ。(木村さやか)