ただオフィスや物流施設など、都市圏の大型物件の組み入れは昨年で峠を越えたとみられている。景気回復に伴う不動産価格の上昇が予測され「多くの投資法人が買い急いだ」(外資系コンサルタント会社)ためだ。「今年の購入額は昨年の半分ほどでは」(みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリスト)とみられている。
今後は規模拡大というより、投資対象の多様化が進みそうだ。昨年は郊外型商業施設やリゾート施設のREITが上場、今年はヘルスケア施設専門の組成が本格化する。
高齢化社会の到来で、政府は民間資金を活用した高齢者向け住宅の整備を進めようと、ヘルスケアREITの上場を通じた資金調達を促している。主な対象は有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、病院だ。国土交通省が6月末をめどにガイドラインを策定、並行して東京証券取引所が上場に関する整備を進めている。
すでに三井住友銀行や大和証券が参入を表明。東証上場1号を目指す大和証券の場合、運用資産規模は当初100億円程度と、既存のREITより小粒だが、地方の物件も積極的に組み込む方向だ。先行する米国ではREITの時価総額の1割以上をヘルスケアが占める。立地の裾野が広がれば都市圏との地価の格差を縮める可能性もあるほか、高齢化社会の環境整備という「好循環」も実現しそうだ。(藤沢志穂子)