このほか、ホンダの経営側も「これまで物価上昇した場合は必ずベアを実施すると取り決めてきた。まだ、上昇していない現状にもかかわらず、今回の争点を政府の要請以外とするならば、ゼロ回答」とまで労組側に迫ったとされる。
■統一要求
「個別の労組ができることには限界がある。数の論理が働かなければ労組は経営側に強く出られない」
ある労組幹部は今回の自動車春闘をこう指摘したうえで「自動車総連が統一の金額基準を示していれば、ダイハツやスズキでもベアを上積みできたはずだ」と述懐した。
電機や鉄鋼、造船などは、統一要求で金額の足並みをそろえた。だが、自動車総連は、統一要求でベア金額の要求基準を示さなかった。前回、ベアを統一要求した21年春闘での経験を踏まえた判断だ。
当時、自動車総連は月4千円以上と金額を明記した。北米を中心に好業績だった20年度上期を踏まえて設定した金額だ。しかし下期にリーマン・ショックに見舞われた結果、要求策定には困難を極めた経緯がある。