東京では9千円超1割引き、名古屋は5千円超1割引きのサービスが多いが、いずれも見直しの動きはない。京都ではエムケイが5千円超を半額にしており、今後も継続する方針だ。
だが、大阪の各社の見直しは消費増税分の転嫁に伴う初乗り運賃の値上げと重なるだけに、格安運賃や長距離割引の縮小は利用者のタクシー離れを加速させる恐れもある。“上客”である長距離利用者の減少は、運転手に大きな痛手だ。大阪市のタクシー会社に勤める別の男性運転手は「お客さんが減って売り上げが下がったら、肝心の待遇改善どころやない。元も子もなくなる」と嘆く。
そもそも、格安運賃や長距離割引は規制緩和による競争激化から生まれた。利用者にとっては使い勝手が向上したが、今度は“お上の都合”でそれらがなくなることになる。「利用者不在」の政策は、タクシー利用者の減少と運転手の待遇悪化という最悪の結果を招く危険性もはらんでいる。(橋本亮)