買収した米スプリントの経営立て直しに加え米当局が反対するTモバイルUSの買収も狙うため、日本で無駄遣いしたくないという事情も取り沙汰されるが、それだけではなさそうだ。
契約数の発表を四半期ごとに変更するのと、販促費の圧縮で先頭を切るのは、純増を気にしないで販促費を減らしたいという表裏一体の作戦ともとれる。
ソフトバンク幹部は「クレーマーなだけではリーダーシップは取れない。買収で収益が膨らんでも同じだ」と述べ、現状に飽き足らない孫社長の心情を代弁する。「永遠に大人になれなくていい」とツイッターでつぶやいていた孫社長だが、2月の決算会見で「ソフトバンクは強者の立場として戦える」と大人の発言に変わった。これまでかき回し役だったソフトバンクが正常化をリードする役回りに転換した裏には、ドコモから業界リーダーの看板を奪う狙いがあるかもしれない。(芳賀由明)