三菱重工業の船舶・海洋事業の業績【拡大】
2011年11月に米カーニバル傘下の伊クルーズ客船会社コスタ・グループから受注した大型客船2隻の設計作業に大幅な遅延が生じ、約600億円の特損計上を迫られたからだ。
客船は船体に加え、客室などホテル部分やプールなどのレジャー部分からなる。空調や壁などの内装、家具などの仕様を顧客と擦り合わせるのに手間取り資材や設計などのコストが想定を大きく上回った。今回受注したのが、量産の元となるプロトタイプだったことで、顧客の要求水準が高くなったという。
韓国・中国メーカーの台頭で造船の事業環境が悪化する中、三菱重工は生き残りに向け、製造に技術力が必要な客船やLNG(液化天然ガス)運搬船、資源調査船など高付加価値の船種に集中する戦略を取ってきた。
一般的にタンカーなどの商船は1隻数十億円程度だが、LNG船は200億円、客船は500億円以上とされる。一方で、部品点数はタンカーの約25万点に対し、客船は約1200万点と多く、高い知見やマネジメント能力が不可欠となる。