三菱重工業の船舶・海洋事業の業績【拡大】
悲願の売上高5兆円
一方、昨年8月には子会社が開発を進めるMRJ初号機の納入を1年超延期すると発表。MRJは三菱重工にとって、欧米勢が幅をきかせてきた航空機市場で完成機メーカーとして飛躍する鍵を握る。だが延期は3度目。これ以上の遅れは事業の継続性に影響を与えかねない。
宮永俊一社長は売上高5兆円を掲げ、競争力のある事業に経営資源を集中。日立製作所と火力発電システム事業の統合などに踏み切る一方、複数の事業本部を「交通・輸送」「エネルギー・環境」などのドメイン(領域)に再編し、構造改革を推し進めている。
客船建造では巨額損失を計上することになったが、ドメイン制導入で造船担当者だけでなくプロジェクトマネジメントの経験豊富な役員も参加。傷口を広げず、迅速にカバーする態勢を整えることができたという。
成長には痛みが伴う。三菱重工の挑戦の真価が問われるのはこれからだ。(田村龍彦)