米粉普及の兆し、弱点克服へ試行錯誤 加工用新素材・コメ新品種が後押し (3/4ページ)

2014.6.21 07:02

米粉用米の需要と計画生産量

米粉用米の需要と計画生産量【拡大】

 一方、米粉に適したコメも登場している。秋田、新潟両県の水田で今春、パン専用米として農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)が開発した新品種「ゆめふわり」の本格生産に向けた栽培が始まった。従来転用していた主食用米の「あきたこまち」と比べて粒子の大きさが約半分の米粉が作れ、パンを製造しやすいという。

 2014年産の栽培面積は1ヘクタールにも満たないが、農研機構・東北農業研究センターでは「14年産の結果が良好ならば15年産の栽培面積は増える」と期待を寄せる。ゆめふわりは敷島製パンが採用を決め、試験栽培で収穫した13年産を使った米粉パンの限定販売を今月11日に始めた。

 目標から遠い生産量

 農林水産省は20年までに米粉用米の需要を50万トンに拡大する目標を掲げている。9割を輸入に頼る小麦需要の約1割を置き換え、食料自給率を高めるのが狙いだ。食の多様化で消費者のコメ離れが進む中、水田を維持するためにも米粉用米の生産拡大を図りたいとの思惑もある。

需要拡大の壁となっているのが価格の高さ

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