米粉普及の兆し、弱点克服へ試行錯誤 加工用新素材・コメ新品種が後押し (4/4ページ)

2014.6.21 07:02

米粉用米の需要と計画生産量

米粉用米の需要と計画生産量【拡大】

 ただ、足元の実績は目標にはほど遠い。09年度に5000トンだった米粉用米の需要は米粉製品の浸透を背景に右肩上がりで伸びているものの、14年度の見込みは3万トン前後と思ったほど拡大のペースは上がらない。

 このため在庫調整が行われ、13年産の米粉用米の計画生産量は2万1071トンと、最も多かった11年産(4万311トン)の半分近くに抑えられた。補助金が支出される米粉用米の生産は、売り先を確保した上で認められるが、14年産は「まだ見通せない状況」(農水省穀物課)という。

 需要拡大の壁となっているのが価格の高さ。米粉は1キロ当たり120~300円で売買され、100円程度の小麦粉と比べると割高だ。需要が思うように伸びないため製粉業者は少量しか生産できず、製粉化コストの低減が進まないという悪循環から、なかなか抜け出せない。

 ただ、米粉はタンパク質のグルテンを含まず、小麦と違ってアレルギーが出にくい。また、揚げ物の衣に使うと油の吸収率が小麦粉より4~5割ほど低く、カロリーを抑えられる利点も持つ。農業団体や食品メーカーなどはこうした付加価値をアピールするとともに、新たな米粉製品の開発も進めることで米粉の需要底上げを図り、割高さの解消につなげたい考えだ。(佐藤克史)

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