有価証券報告書によると昨年3月時点での従業員数は110人で、平均年収は270万円程度。平均年齢は46・5歳で、働き盛りの社員が多かったが、経営状態の悪化は止められなかった。そして、今年3月に民事再生法を申請した。
それでも再生は可能との見方が社内外であった。それは、今年3月の駿河屋の従業員向けの資料からもうかがえる。
「事業再建のためのスポンサー候補会社様を募っておりましたところ、複数の会社様からご提案頂きました」と記され、第1候補として創業400年近くを誇る老舗、千鳥屋宗家(兵庫県西宮市)が浮上した。従業員の雇用を守るため事業譲渡の交渉を進めてきたが交渉は決裂。5月29日にすべての事業を停止、全社員解雇という結末を迎えることになった。
駿河屋は具体的な経緯や理由については沈黙しているため、今となっては知ることはできないが、東京商工リサーチ和歌山支店の田端健二課長は「店舗展開が旧来型で、全国チェーン店などの進出による競争に勝てなかった」と説明する。
新商品の開発も、製造ラインを入れ替えてまで大胆に進めることはなかったとの見方もあり、田端課長は「じり貧状態でぎりぎりまで頑張ったのだろうが、もっと早く民事再生の手続きをしていれば、名前は守れたのではないか」と指摘する。