ことしは日本列島に冷夏をもたらすエルニーニョ現象が発生する見通しだが、西日本はむしろ暑くなるという。関電によると、夏は管内で最高気温が1度上昇するごとに電力需要が70万~90万キロワット増え、景気回復も需要を押し上げる。予備率3%(87万キロワット)は余力としては極めて小さい。
震災以降、関西圏では夏、冬と電力不足の懸念が持ち上がったものの、乗り切ってきた。「今年も何とかなる」という楽観論も聞かれる。だが電力供給を脅かす要素は、これまでになく広範囲に潜み、危機はいつどんな形で訪れるか分からない状況だ。
7月1日、節電要請期間がスタート。今回は、関西に東日本大震災後初めての「原発ゼロの夏」となる。電力の確保と原発再稼働をめぐる動きを追った。