■「ステージ変わった」 福利厚生拡充を検討
ゼンショーホールディングス(HD)は、値上げしても業界最安値は変わらず、優位性はあるとみており、最悪でも客数は5%減にとどまると想定する。
すき家の牛丼価格は、4月の消費税率引き上げ時にも、上がるどころか10円値下げした。消費者から「国民食」として支持されていることを念頭に企業努力を続けてきたが、「労働条件の改善やサービス向上のために、利益を確保しないとバランスがとれない」(小川会長兼社長)状況に追い詰められた。
今後の焦点は、労働の過酷さや防犯面の問題などから“ブラック企業”とされた批判をどう払拭するかだ。小川会長兼社長は「ブラック企業という言い方には生理的な嫌悪感がある。当然そう呼ばれれば悔しい思いをする」と語った。
小川会長兼社長は「すき家ではクルー自らが生産性を上げようと努力し、その結果、牛丼最後発企業が外食産業のトップになった」と分析。その中で、「ステージは変わった」ことを実感し、「企業としての社会的な責任を果たし、あるべき形を作っていく」ことを打ち出した。従業員の自己啓発を支援するための福利厚生の見直しなどの検討に入った。
ゼンショーHDは、過去にもワンオペ解消の方針を明確に打ち出したものの、達成できなかった経緯がある。一連の決定や方針が「その場しのぎ」と批判されないよう、小川会長兼社長の指導力が問われている。(平尾孝)