「分からないこともいっぱいあります。値段もお客様がどう反応するのか、性能面やクルマのデザインもどう反応するのか…すごく怖い面もありました。ただ、それをやらなかったら大きなイノベーションは起こせない。国産初のクルマを作ったときもそうだったでしょうし、我々が考え及ばない苦労もあったと思いますし、プリウスを出されたときの先人のチャレンジもすごかったと思います。今回このクルマに挑戦させて頂けるのはありがたいですし、トヨタとして先駆けとして一番にやっていこうと上層部も含めて考えているから意義があると思うんです」
「モーターショーで私は『プリウスを超えるイノベーションを起こしたい』と言ったんですけど、プリウスはまさにハイブリッド車の先駆けです。『つなぎの技術なんじゃないか』とか色々と言われて、今日これほど市民権を獲得したクルマってなかなかないと思うんです。FCVの場合は、インフラまで含めたインパクトを与えなければいけない。それはまさに『プリウスを超えるイノベーション』だと思うので、それを他の○○さんがやられた後にやっていきますというのでは、それはたぶん違うと思います。そんな綺麗ごとじゃないし、カッコイイことばかりも言っていられないのは重々分かりつつも、やっぱり開発をやっている者としてはそういう思いを持って最初の企画からやっていましたし、それが今まで持ち続けていられるというのは、そういう風にやらせてくれた経営陣にも感謝したいです。逆に引き続きリスクテークしながら『一緒に頑張ってください』って言いたいですし、ホンダさんが本当にそう言っているとは思えないんですけど、逆にトヨタを見たいと言っていらっしゃるとするなら、我々としては自らが飛び込んでいかなアカンとより意を強くしています」