利益優先のツケ
そんな収益優先体質の背景には、昭和57年の創業からわずか30年で外食最大手にのし上がったゼンショーの企業文化がある。久保利委員長は「短期間で急成長を遂げた成功体験から、創業メンバーら経営幹部の間には長時間労働を容認する考え方が根強く、法令を軽視していた」と指摘した。
そのツケは業績の悪化という形となって現れた。
ゼンショーHDは8月、平成27年3月期の連結最終損益が従来予想の41億円の黒字から、13億円の赤字に転落する見通しになったと発表した。赤字は創業以来初めて。9月末までにワンオペを解消する方針で、人手不足によるすき家の一時休業による売り上げの落ち込みに加え、ワンオペの見直しによる人件費増加などが響くのが赤字の理由だ。
調査時点でワンオペを続けていたすき家の店舗は半数近い約940店舗。近隣店舗からの応援やアルバイトの勤務店舗を変更、外国人留学生の採用拡充によりワンオペ解消に努める考えだが、「それでも(約940店の半分の)460~470店は深夜営業を休止することになる」(ゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長)。約940店舗すべてで深夜営業を休止する可能性もあるといい、業績への影響は避けられない。