このため、シャープには社員に指示待ち傾向が強まり、経営トップの意向を背景にした管理部門が事業部門の方針に介入してくるケースも横行したとされる。
悩ましい亡霊
高橋社長がメッセージで懸念した改革疲れや先祖帰りとは-。
実は「片山氏の社長時代は明確なビジョンと会社の将来像を示してくれた」と懐かしがる社員が少なくないという。
片山氏は8月末で退社するまでは巨額赤字を招いた時代の経営トップだったうえ、社長退任後も経営に介入し続けたとして“ゾンビ経営者”と呼ばれていた1人だが、関係者は「明確なビジョンを示して『ついてこい』と引っ張る片山氏に慣れた社員には、全員で決めようとする高橋社長の姿勢を物足りなく感じることがあるのかもしれない」と解説する。