赤字寸前のIBM、暗雲漂う名門はいま… “見せかけの実績”と批判の声も (4/4ページ)

2014.11.16 17:12

 飛び抜ける自社株買い

 ただし、今ではこうしたIBMの戦略は見せかけの実績を作るためのものだったと批判されている。米紙ニューヨーク・タイムズのアンドリュー・ロス・ソーキン記者は「IBMは00年以降、自社株買いと配当に1380億ドルを費やしたが、設備投資には590億ドル、買収には320億ドルしか使っていない。IBMが誤った目的に資金を使ってきたことは間違いない」と指摘する。

 12年にCEOに就任したロメッティ氏は今年1月に低価格サーバー事業のレノボ・グループへの売却を決めるなど、事業の選択と集中を加速させている。さらにパルミサーノ氏が約束した収益目標も撤回し、今後は収益を削ってでもクラウド事業や人工知能への投資を増やす考えだ。

 しかしこうした成長分野ではグーグルやアップル、アマゾン・コムといった新興IT企業との対決は避けられない。

 ロメッティ氏は「戦略は間違っていない。今は改善を続けるためのスピードが求められているときだ」と覚悟を決めているが、バーンスターン・リサーチのアナリスト、トニー・サカノヒ氏は「新しい分野への移行に十分な早さがない」と冷ややかだ。(ワシントン 小雲規生)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。