シティバンク銀行が個人向け部門を三井住友銀行に売却する方向で検討に入ったことが18日、分かった。両社は近く本格交渉に入り、年内の最終合意を目指す。買収額は300億~400億円を軸に調整するもようだ。一方、三井住友信託銀行が打診したカード会社のみの買収については、他の国内カード会社も関心を示しており、慎重に判断する。
シティ銀は今夏、低金利が続く日本事業の採算悪化を理由に個人向け部門などを売却する方針を決め、2度の入札を実施した。三井住友銀は買収に向け、仏金融大手ソシエテ・ジェネラルから昨年買収した富裕層向け銀行のSMBC信託銀行との事業統合を提案したとみられる。
シティ銀の32の個人向け店舗や約1500人の従業員を引き継ぐ方針を打診したため、シティ銀は三井住友銀に優先交渉権を与える見通し。世界中のATM(現金自動預払機)を使えるシティの顧客サービスも維持する方向で調整する。