北陸新幹線で加速する“関西埋没” リニアに興味ないJR西の苦悩とは (5/5ページ)

2014.11.23 17:04

記者会見で北陸新幹線の運行計画の概要などを発表する真鍋精志JR西日本社長(左)ら=金沢市

記者会見で北陸新幹線の運行計画の概要などを発表する真鍋精志JR西日本社長(左)ら=金沢市【拡大】

  • 北陸新幹線の新型車両W7系
  • リニア実験センターで公開された新型車両L0系

 JR西も手をこまねいているわけではない。首都圏から北陸への観光客増加を見越して来年10月から金沢-和倉温泉間で豪華観光列車の運行を計画。開業効果に取り込みつつ、「北陸と関西とのつながりを活性化しないといけない」(真鍋社長)というジレンマを抱える。

 北陸新幹線は、金沢-敦賀(福井県)が37年に開業する計画だが、敦賀から大阪まではルートや開業時期が未定のまま。JR西は暫定的な措置として敦賀で新幹線と在来線との乗り換え解消を図るため、走行中に車輪間隔を変えることでレール幅の広い新幹線と、狭い在来線を直通運転できるフリーゲージトレイン(FGT)の導入を検討。北陸からの利用客をつなぎ止めることに躍起だ。

 関西の政財界にはリニアの東京-名古屋間が開業した後、大阪まで延伸するまでの“タイムラグ”で一段と地盤沈下が進むとの懸念は強いが、実は名古屋間までの区間が開業するのは10年以上も先の話だ。一方、北陸新幹線の開業による北陸の関西離れへの懸念は、進学、就職、観光などの分野へのより近い脅威として現実味を帯びており、関係者は戦々恐々としている。

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