リニア中央新幹線の名古屋-大阪間の中間駅をめぐって、奈良県内で誘致合戦が激化している。7月にJR東海の柘植康英社長が「京都ルート」を改めて否定し、関西財界も「奈良ルート」推進で一致。中間駅設置は奈良が優勢となっている。その一方で県内の絞り込みは進んでおらず、名乗りを上げた奈良と生駒、大和郡山の3市がそれぞれに激しいアピールを展開している。荒井正吾・県知事は「まだ絞り込む段階ではない」とあくまでも静観の構え。3市の誘致活動は当面続きそうだ。(有川真理、山崎成葉)
関西財界も認めた「奈良ルート」
奈良県内で9月3日に行われた「第5回三重県・奈良県リニア中央新幹線建設促進会議」に、関西経済連合会リニア担当委員長の辻卓史氏が初めて参加した。
同線をめぐって、JR東海は平成39年に東京-名古屋間を先行開業し、57年に大阪までの延伸を目指すとしている。東京-大阪間の同時開業を目指す辻氏は「(同時開業の)問題が山積し、時間にも追われている。これから関西一丸となって活動していきたい」と、オール関西で臨む考えを強調した。荒井知事も「大阪までの早期開業に向け、ともに頑張っていきたい」と力を込めた。