各子会社とも3~4項目の施策に対し、「○」「△」「×」で評価したのだが、そのほとんどが「×」だった。「○」は極めて少なく、理由についても「戦略の誤り」「消費者ニーズとの乖離(かいり)」など、否定的な評価しか見当たらない。前体制の批判が飛び交う、前代未聞の内容だった。
特に注目された居酒屋運営のワタミフードサービスは、年度前半に前任者が実施した「高付加価値・高単価」の路線を一転、かつてと同じ低価格戦略に先祖返りした。
年初から進めてきた高付加価値戦略は、単純な価格改定ではない。有名食品メーカーとのコラボレーションによる乳製品の活用や、国産にこだわった素材でのメニュー開発など、「こだわり」を前面に、消費税率8%への対応やデフレ脱却に向けた取り組みだった。実際に、年度前半では1メニューあたりの価格は、約20%上がったという。