しかし、ワタミフードサービスの清水社長はこれを、「完全な失敗」と厳しく評価した。既存店ベースで見た客単価は前年同月比プラスだが、客数は大幅なマイナスとなり、結果的に売上高は減少しているからだ。清水社長は「消費者はチェーンストアに安さを求める」として、11月からメニューを値上げ前の価格帯に戻す緊急対策に乗り出した。
「和民」では380円のお通しを300円に、450円のサワー・ハイボールを390円に下げる。また、「わたみん家」では、450円の生ビールを399円とするほか、焼き鳥なども値下げする。特別なメニューの追加ではなく、定番のコロッケやアジフライなどを割安な価格で提供し、「おいしさと価格にこだわる」(清水社長)という。
だが、値下げはしても「客単価は下げない」(清水社長)方針。商品価格は下げるが、これまでより1~2皿多く注文してもらえば、客単価は維持できる、との戦略だ。結局、デフレ脱却に向けたワタミの戦略は、わずか半年でついえた形となった。