ただ、味の調整は難航を極めた。例えば、開発者と後藤さんの「華やかな香り」の定義が異なるなど、人によって味覚が違った。そこで、100種類のベルギービールを飲み比べ、味の「共通言語」を確認する作業を繰り返した。
また、オレンジピールとともに、今回の味の決め手となるコリアンダーシードは、増やしすぎると香りが強くなりすぎ、減らし過ぎると特徴のない味になる。しかも、「産地によって味が異なる。安定供給でき、しかも味が一定になる調達先」(後藤さん)を探す必要があった。何度も試行錯誤を繰り返しながら、ようやく調達先の絞り込みに成功したという。
ようやく完成したホワイトベルグは、狙い通り20、30代からの支持を集めた。コンビニエンスストアが取り込みたい女性、若年層と合致したこともあって、定番商品ではないビールは通常、発売後6~8週間が過ぎれば撤去されるが、「再び棚に並ぶという“異例”の快挙を達成した」(ブランド戦略部の伝田法子主任)。
後藤さんは「まだ新ジャンルの点ができたばかり。これを面で広げていろんな種類のビールがあるんだということを知ってもらいたい」と目を輝かせる。ビール業界では、少量生産で個性的な味が特徴の「クラフトビール」が注目されており、サッポロビールも本格展開をもくろむ。ビール離れの若者の心をつかむ挑戦は、始まったばかりだ。(飯田耕司)